2014年12月31日水曜日

今年を振り返って


今年は様々なイベントを行いましたが
1年を振り返って思うことがあります

それは 人の心の温かさ
そして 日本語の美しさです

作品展を終了し
いろいろな方からお手紙を頂戴しました
初めてご縁ができた方もいらっしゃいますし
若い方もいらっしゃいます

その言葉の温かさ 思いやりの心遣い 言葉の美しさに感激しました

会社生活が長かったので メールやビジネス文書を読むことに慣れてしまって
手書き文字の美しさ 柔らかさ 心の通った文面に自分の失ったものの
大きさを感じて愕然としました

さりげないながらも その人の品格や温かさがにじみ出て 何回読み直しても
こころが和みます

私もそういう品格と温かい心を持ちたいと思います


2014年12月30日火曜日

作品展から


作品展に南天の作品を「今を生きる」と題して展示しました。





この作品を展示するには躊躇がありました。
メッセージが強烈で直接的すぎるからです。
毎年正月飾りに南天を飾ります。松の生き生きとした緑と赤い実は正月を感じさせますが、
小正月が過ぎてもその実の赤さは残っております。捨てるのがもったいない気がして
花瓶から抜いて書斎の出窓の上に置いておきました。色はだんだん褪せてくるものの
1年経っても2年経ってもその実は枝にしっかりついていて落ちないのです。
私はふとそのことに気がつき、圧倒されました。決してしがみついて生きているのではなく、
ただ淡々と枝についているだけですが、枝にしっかりついていて動かしても落ちないのです。
私は、そのひたむきな生き方に感動を覚えました。
そしてこの句ができあがりました。

私の母は早くこの世を去りました。
「いいこでね」
これが最後の言葉でした。
きっと残された家族のことを想うと無念だったように思いますが、最後は達観したように
静かに言葉をかけてくれました。
今でもその時のことは鮮明に覚えています。決して忘れることはありませんでした。
この句には母が残した言葉が生きています。きっとそう言いたかったような気がしています。
想いを残してこの世を去らざるをえないひとの最後の言葉が聞こえてきます。
それがこの句に込めた思いです。
そして私たちが消えゆくとわかっていても生きてほしいと願う心
それもこの句に込めた思いです。
「今を生きる」大切さを感じています。

この句は、御主人や御両親を失った方にとって直接心に響いたようです。その方たちが、
再び「今を生きる」力を得たとしたら、それが私の一番の望みです。
南天はずっと生きています。
そして皆様とのご縁を感謝しております。

2014年12月9日火曜日

作品展を終えて(2)


作品展が終わってから脱力感で何も手が付きませんでしたがやっと復活しました(笑)
作品展への思いを綴ってみたいと思います。


今を生きる

 
「今を生きる」というテーマは、何か気恥ずかしく大げさすぎるかなと正直迷っていました。「生きる」という言葉は今回初めて使った言葉ではありません。毎年行われる公民館主催の文化祭では一つの統一テーマを決め皆さんに作品を制作してもらいましたが、実は3年前に発生した東日本大震災の直後、私たちにできることはないかと考えたときに自分達なりに応援するメッセージを発信しようと思って決めたテーマが「生きる」でした。

今回の15周年では復興応援という言葉を使い、被災された方へのお見舞いと応援メッセージを発信したく当時の作品に一部を追加して展示しました。前回の作品展は10周年でしたので、あれから5年(正確には4年)が経過したことになります。しかし中高年にとって5年という歳月は決して短いものではありません。

 

10周年以降に会員で亡くなられた方もいらっしゃって、今を大切に生きることがとても重要だと思うようになりました。訃報を知りご自宅にお線香を手向けに伺った際に奥様から故人は生前倶楽部を楽しみにしていたことを知り思わず涙ぐんでしまいました。倶楽部から帰ってくるとその日にやったことを楽しそうにお話になったそうです。

今日はこんなことやったよ。楽しかった…。

病魔に侵されても、もう一度やりたいなぁとおっしゃっていたそうです。

仏壇の側には、故人の作品がいくつも置かれていました。

 

それをみて、私のやるべきことがはっきりしました。

会員の方に残された人生はそう長いものではありません。パソコンを操作できる時間はそう多くはないはずです。であれば、その残された貴重な時間に家族や友人、そして何よりもご自分に残せる素晴らしい作品を作って欲しい。そのためのお手伝いをしたい。

もう迷いは全くありません。私も残された時間にやるべきことはそれしかないと強く確信した瞬間でした。

 
今を大切に生きて欲しい

まぎれもなく私たちはこの一瞬を生きているのです。真剣に生きたい…

そのために生きる喜びや感謝を表現する作品を制作したい
 

もう迷いは全くありませんでした。
「今を生きる」それが今回の作品展で選んだ言葉です。