2013年10月16日水曜日

目に見えるもの


箱根を旅行してきました。

まだ仙石原のススキは穂がでていたものの細い葉は緑のままでした。
あいにくの雨模様でしたので、ススキの穂は濡れてひとつにまとまり
観光客も足早に去って行きます。

小雨でしたのでススキの原の遠方に見える山並みは、水色の重なりを見せて
霧も立ち込め、日本画を観るようでわくわくする時の流れでした。
ふと足元を見ると秋の草花が小雨に濡れて咲き乱れ、素朴な輝きを見せています。

狩野派の秋草の図を見るようで夢中でシャッターを切りますが
残念ながら写真は無機質ですので、すべてを無条件に映し込んでしまいます。

人が意思を持って見たときには、感動したものしか見えません。
絵画は、その感動を写し取ったものですから余計なものは描かれません。
ススキの穂先だけでも充分表現できます。

目に見えるものが大切とは限らないのですね。